資生堂の宣伝史を振り返ってみた(その2)

前回の記事に問い合わせがありました。

件の「資生堂宣伝史」はどうにかして入手または見ることが出来ないのか?。

またそれ以外で資生堂の歴代CMを観ることが出来ないのか?。


まず「資生堂宣伝史」ですが、さすがに出版から20年経ってますしもともと非売品なので、古書店かオークションくらいでしか入手は出来ません。

良品だと4~5万円はすると思います。安いのはそれなりに本の痛みやテープの劣化などがあるかと。

気をつけないといけないのはテープの状態で、VHSテープの場合は保管状態も影響するので必ずしも「未開封」と謳ってあるものがいいとも一概に言えません。むしろ再生確認してあるほうが良いかも知れませんのでこのへんは各人でご判断を。

中にはテープをDVDに起こしてそれだけを販売している輩が居ますが当然ながら手を出されないことをお勧めします。

テープだけじゃなくて書籍そのものにも興味がある方は買って損はしないと思います。印刷とかむちゃくちゃ綺麗ですし。

「資生堂宣伝史」には1979年版と1992年版がありますのでお間違えないように(TV・CM篇があるのは1992年版)。

またとりあえず見てみたいというのであれば意外と簡単です。

この本、一般的な「社史」と同じように当時全国のかなりの公営図書館に寄贈されてます。

ですのでお近くの図書館で蔵書として所蔵されてる率も高いので問い合わせてみることをお勧めします。

(最近はほとんどの図書館で蔵書のネット検索もできます)

ただ閲覧のみで一般貸し出し不可扱いだったり、テープは貸し出し不可等の場合もありますので、その場合は係の方と交渉してみてください。

(私の住んでる山口県でも何カ所かは蔵書として持ってるようなので全国的に所蔵してる図書館は多いと思います)

でもホントの一番の問題は今現在DVDが主力の時代に各家庭にVHSテープの再生環境がまだ今もあるかどうかですよね(笑)。借りてきた変なデッキ使って巻き込んだらシャレにならないし。


またCM自体を見る方法はいくつかありまして、

まずエイベックスイオから「資生堂のCM」というDVDが2本発売されています(Vol1.Vol2)

また内容に一部ダブリがあり、資生堂のCMだけが収録されてる訳ではありませんが、杉山登志作品中心であれば「ACC50周年企画DVDシリーズ~CMにチャンネルをあわせた日 杉山登志TVCM作品集」というのも発売されてます。

どちらも現行商品ですのでAmazonあたりで入手出来ます。

この手の商品にありがちな「アレが、コレが入ってない」という不満があるかもですが、正規商品としてリリースされるだけでも良い時代だと思います。

その他、法的には?ですが、Youtubeでもかなりの作品は見ることが出来ます。「資生堂のCM」とかででも検索していただければ。映像の元ネタは「資生堂宣伝史」からのものがほとんどみたいですが。

その他代表的なものは銀座の「ハウス・オブ・シセイドウ」や静岡県掛川市の「資生堂企業資料館」でも見ることが出来ますのでお問い合わせされてみると良いかもです。特に資生堂企業資料館はポスターなどその他の展示もありますので、資生堂フリークにはお勧めです。

そんなところでしょうか。風邪引いてしまったので寝ます。続きはまた。

資生堂の宣伝史を振り返ってみた(その1)

新年最初の書き込みになります。本年もどうぞよろしくお願い致します。

去年の秋からほとんどネットカフェに泊まり込んでまして、家に帰ったのがその間5回という・・・もう病気ですね。

さて、表題の件ですが、久しぶりにある書籍を開いてみました。それがこれ。

この本は「資生堂宣伝史」という本で1992年に資生堂が製作し、関係各方面に配布した非売品の豪華本です。

総合篇(1979年~1991年)、TV・CM篇(1960年~1991年)、セルジュ・ルタンス篇(1980年~1991年)の3冊に分かれています。

資生堂は1979年にも同じタイトルの「資生堂宣伝史」という本を出していまして、(歴史・現代・花椿抄の3冊で1セット)それには1979年までの資生堂の宣伝の歴史(ポスターや花椿マークなどの意匠、宣伝紙「花椿」について他)が収められており、この1992年版と併せると創業から1991年までの資生堂の宣伝の歴史が一望できるというものです。(一緒に紹介しようと思ったけどどこにしまったのか見つからない(^^;

資生堂と言えば皆さん「宣伝が上手い」とのイメージを持たれてるとは思いますが、非売品でありながら紙質・装丁とも超豪華なこういう書籍を発行するあたりが資生堂という会社が「自社の宣伝活動そのものが文化であり財産である」というプライドを持っている事の表れだと思います。




総合篇にはポスターや店頭宣材・新聞広告などの他、百貨店の売り場デザイン、ザ・ギンザやハウス・オブ・シセイドウ等の直営店舗のデザイン、容器・パッケージの変遷などが余すところ無く収められています。


セルジュ・ルタンス篇には1980年から資生堂の海外宣伝や日本国内では高級化粧品インウイの宣伝展開を担当しているデザイナー(というよりクリエイターと言った方がいいのか)セルジュ・ルタンスの手によるアートワークの数々が収められています。

そしてこの1992年版の白眉と言えるのがTV・CM篇です。


本型のケースを開けると中にはVHSテープが2本とブックレット1冊。この2本のテープに1961年からの資生堂のテレビCMがほとんど収められています(セルジュ・ルタンスの手によるものも含む)。数えたこと無いけど300本近く収録されてるんじゃないかと思います。通常過去のテレビCMをソフト化しようとするとそのCMに関わった人全て(特に出演者)の許可を取らなければならないといっても過言では無く、それがCMがソフト化しない大きな理由なのですが、この本自体が非売品で営利目的では無く、発行部数も限られなおかつ不正コピーを防ぐためマクロビジョンによるコピーガードを施す(その旨明記してある)ことによって実現したものと思われます。CM好きな人には超貴重映像満載のテープなのです。

それゆえこの本、オークションや古書店では数万円のべらぼうな値段が付きます。私はひょんな事から譲り受けたのですが。

この収録作品はどれも資生堂のテレビCMのレベルの高さをまざまざと見せつけてくれます。今回はそのうちいくつかをご紹介してみようと思います。



資生堂初のテレビCMにして初のキャンペーン。'61年の「キャンディートーン」(キャンディートーン口紅)。昭和36年にしてすでにカラーなのは当時の資生堂一社提供番組「光子の窓」(日本テレビ)がカラー放送だったから(ちなみに日本のカラー放送は前年の昭和35年に開始。「光子の窓」は日本で初めてカラーVTRを使用した番組)。しかし実際には当時のカラーフィルムおよびカラーテレビ受像機は色の再現性がまだまだで化粧品会社の要求するレベルでは無かったためかこの後'70年頃までモノクロでCMが作られることとなる(日本のテレビが全日カラー放送となったのは1971年)


当時17歳の吉永小百合さんが出演した'62年の「トランプ」(ティーンズ化粧品)。ここまでくると可愛らしさが神がかってるというか世のサユリスト達の気持ちがわかるような気がします。ヒロケンこと広瀬健次郎氏の軽快な音楽に乗ってホリゾントの前にオブジェを置いただけのスタジオで踊る様子に当時が偲ばれます。しかし三木鶏郎氏を始め広瀬健次郎氏や桜井順氏など創世記のテレビCMの作曲家達の「耳に残るわかりやすいメロディー作り」のテクニックには恐れ入ります。

ここまでの2本はさすがに50年前のカラーフィルムだけに原版が劣化&真っ赤に褪色して見づらいので元の動画をTMPGEncで色調補正してキャプチャーしましたが、多分本来のオリジナルプリントの色味とは全然違ってると思います。すみません。

だってビデオに収録されてる原版の色って↓こんなんだもん(笑)

'64年の日活映画「月曜日のユカ」などでおなじみ、元祖小悪魔・加賀まりこさんが出演した(・・って言っても静止画のみ。動画で登場は”トルナラ・トッテミーロ”の藤村有弘氏)'62年の「レディは清潔さがお好き」(男子用化粧品)。当時の資生堂の男性向け化粧品にはブランド名がまだ無く、そのまま「資生堂男子用化粧品」という名前でした。


'63年「サイコロ」(ファッションベイル)。日本のテレビCM初の海外受賞(カンヌ広告映画祭銀賞)。サイコロ型のオブジェをコマ撮りしたクレイアニメーションは当時新鮮に受け取られたと思います。日本初のテレビアニメである「鉄腕アトム」が始まった年ですもんね。しかも音楽に合わせてリズミカルに動く。つまりコマ数を厳密に計算しないと出来ない。おまけに置く位置がちょっとズレても失敗だし。実際の作業は大変でフィルムが現像から上がってこないと成功したかわからないので、2回ほど取り直したという記録が残っているそうです。モデルは当時の資生堂を代表する高橋美恵さん。ディレクターは”天才”の名を欲しいままにした日本天然色映画所属の杉山登志氏。杉山氏に関しては今更私なんかが語るまでもないのですが、またちょと別の機会に触れてみようかと思います。

ちょっと長くなりそうなので続きはまた。

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Author:缶コーラ
山口県在住。ローカルなネタを含めて
何でもアリで書いていきたいと思います。

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