【雑誌】コンプティーク狂騒曲(2013年10月号)

 今大人気のオンライン・ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(通称:艦これ)って知ってますか?


(画像を勝手にお借りしてますが著作権はDMM.comさんと角川ゲームズさんにあります)

 簡単に説明すると、旧日本海軍の艦艇を育て指揮して戦線を進んでいく「艦隊育成シミュレーションゲーム」なのですが、大きな特徴は「艦艇が女の子に擬人化されている」事です。

 プレイヤーは艦隊を指揮する「提督」となり、ゲームを進めながら擬人化された艦艇(艦娘:かんむす)を集め、育て、その艦隊を率いてゲーム中の敵である「深海棲艦」と戦い進んで行きます。

 と、こう書くと「なんだよ、軟派な萌えゲーかよ」と思われるでしょうが、確かに集め育てた艦娘を愛でるという萌え要素もありますが、ゲーム自体の造りはバラエティーに富んだ海戦ステージや詳細なパラメータ設定、艦隊編成パターンなど戦略要素をかなり要求される本格的海戦シミュレーションです。

 ブラウザゲームなのでパソコンとネット環境さえあれば簡単に始められますし、基本無料なので(有料オプションもありそれでゲームが有利になる事はありますが、無料だから勝てないとかお金を払わないとここから先はプレイさせないなどのあからさまな課金はありません)財布に優しく進めることも出来る造りになってます。

 この「艦隊これくしょん」、今年(2013年)4月にサービスインして以来大人気となり9月現在で登録ユーザーは80万人を越えています。

 面白いんでこれ見て少しでも興味湧いた人はぜひやってみて下さいね。

 今回はそんな大人気ゲームにまつわる外野の騒動のお話です。


 80年代からあり、今も生き残っているパソコンゲーム誌のひとつに角川書店が発行している「コンプティーク」という雑誌があります。ここ最近はスマホやケータイのソーシャルゲームが大人気でパソコンゲームは下火だった事もあり、近年ではあまり売れている雑誌とは言えず、私の住んでる山口県の田舎の書店でも「毎月2~3冊棚に並んでるのを見かけるけどそんなに印象にも残らず、次の号が出るまで売れ残っている」といった感のある雑誌です。いわば書店に十把一絡げで並んでいる雑誌のひとつと思って頂ければ良いかと思います。公称発行部数は6万部ほどだそうですので実売部数は3万部弱といったところではないかと思います。

 その「コンプティーク」の2013年10月号に「艦隊これくしょん」の84ページにも及ぶ別冊付録が付くことが告知され、発売前から一部で話題になってました。実は「艦隊これくしょん」はその時点で公式に出ている総合ガイドブック的なモノは存在しておらず、プレイヤーは手探りでプレイしつつネット上でのコミュニティやまとめWikiなどで情報交換しながらプレイを進めていたわけで、雑誌の付録と言えどプレイヤー(提督)が熱望していた公式としては初めてのボリュームたっぷりの本(しかもイラストレーター書き下ろしイラストや艦娘の一覧付き)なわけで、私なんかも一応「提督」の端くれですから発売前から「これはいつもの号よりはかなり売れるんじゃ無いかな」くらいは思っていました。

 さらにこの号には「艦隊これくしょん」以外にも、TYPE-MOONの人気ゲームである「Fate」のオリジナルドラマCDも付録に付くことになっており、なおいっそう普段より売れるであろう要素がありました。

 なので私も「発売日には早急に買いに行こう」くらいは考えていました。いつものこの雑誌の売れ方から考えてもそれで十分だろうと思っていました。それがまさかあんな事になるなんて誰が想像したでしょうか。でも今考えればAmazonなどのネット書店では軒並み予約完売だったことをもう少し重要視してれば良かったのかも知れませんが…。


 2013年9月10日、「コンプティーク」10月号の発売日。

 早朝から仕事に入っていた私が異変に気づいたのは10時の休憩の時でした。スマホでTwitterを見ていたら、ある写真が目に入りました。多くのオタクっぽい人たちが整然と行列している写真、そしてそれに付いている「秋葉原なう。コンプティークを求めて開店前から多くの提督たちが行列形成中」というツィート。売れるだろう、とは思っていました。でもまさかこんな事になるとはとても想像できなかったので、最初は「これは何か別の行列でお騒がせネタの捏造ツィートだろう」と思ったくらいでした。ところが僅か数分の間にその手のツィートがどんどん多くなり、異常事態が起き始めている事に気づきました。そしてそれは秋葉原だけでなく東京および関東周辺の地域全体で起こっていることが時間の経過と共に明らかになっていきました。

 一般書店では在庫は瞬殺、都内では圧倒的な在庫を仕入れているであろう神保町の「書泉グランデ」「書泉ブックマート」、秋葉原の「書泉ブックタワー」そして比較的この手の雑誌を潤沢に仕入れているであろう都内各所の「アニメイト」や「ゲーマーズ」「メロンブックス」などのオタク系ショップの混乱ぶりや完売情報などのツィートが乱れ飛び「買えた」「買えない」の阿鼻叫喚ツィートがあちこちで発信されていました。

 「提督」と呼ばれる「艦隊これくしょん」プレイヤー全国に80万人、実際のアクティブプレーヤーがその3分の2,さらにその半数が首都圏在住だったとしても、25万人くらい。そのうちの相当な割合の人数がわずか全国で4万部前後の発行部数の雑誌を求めて殺到したわけですから騒ぎが起きてしかりなわけです。

 その状況に気づきつつも休憩時間の終わった私は仕事に戻りました。次の休憩は13時~。仕事をこなしつつ頭の3分の1くらいでこの後どう行動しようか考えていました。


 「これは少部数しか回ってこない地方で手に入れるのは至難の業だな」と感じた私は13時の休憩に入ってから東京(練馬在住)の友人に確保をお願いしてみようと電話をかけました。返ってきたのはある程度予想した答えでした。「缶ちゃん、ダメだよ。オレも外せない用事があって開店の10時に行けなくて、11時に池袋に行ったんだけど、メイトもゲマズもメロンも、あと行ける範囲の大小書店を回ったけど1冊も残って無くて手に入んないよ。もう歩き疲れちゃってさぁ。」Twitterでの騒ぎは本物でした。友人には友人の都合があるので無理強いは出来ません。こうなると自分でなんとかするしかありません。

 「わかった、じゃあこっちで何とかしてみるよ。」

 実は雑誌というのは地方によって発売日にタイムラグがあって、私の住んでる山口県では現在でも週刊誌・月刊誌共に首都圏より1日遅れの発売となります。これが海を渡って九州になると実に2日遅れの発売となるわけです。

 そして東京で起こったことは必ず地方に波及してきます。インターネットどころかパソコン通信も無かった頃は数日のタイムラグの後に山口県あたりにも波及してきていました。そしてこれは私の経験上の感覚なのですがネットの発達した現在でもまだ2~3時間のタイムラグがあります。秋葉原の主要店舗は10時開店。すでに3時間が経過しています。となると今すぐ動くしかありません。明日は多分こちらでも大騒ぎになります。明日動いたんじゃ遅いんです。

 そして仕事場にいる以上、使える手段は電話しかありません。幸いその時、時間に追われる早急な仕事が無かった私は上司に「すみません、ちゃんと仕事は終わらせますし、その分居残りもしますので20分ほど私用電話をさせてください。」と許可を求めました。幸い上司は「ああいいよ」と快諾してくれました。さあ、戦いの始まりです。


 地方でも恐らく勘のいい人はすでに動いています。一刻の猶予もありません。私はとりあえず近隣の書店を思いつく限りリストアップして全部の電話番号を調べました。こういう時だけはスマホって便利ね。普段あまりスマホでネットとかしないけど。そして普通の人が「本屋」と言われてすぐに思いつく専業の大型書店は後回しにして、どちらかというと「ああ、そういえばあそこは確か本も置いてたなあ」くらいの感覚の店舗(例えばTUTAYAなんかは地方だと「レンタル屋さん」という感覚が強くて「書店」という感覚が薄い)を最優先に電話をかけ始めました。要は「取り置き予約」をお願いするわけです。ただ、この騒動になっていますのですでに何件も問い合わせが入ってきていればすでに入荷する冊数を押さえられているか、もしくは取り置きを断られるか…。とにかく聞いてみるしかありません。 


 結果4軒電話したところで3冊の取り置きをしてもらうことが出来ました。幸いまだ間に合ったようで比較的苦労せず確保が出来ました。いつもの月の売れ方から大体の想像はついていましたが、どこの店も2冊程度しか入荷は無く、しかも「さっき取り置きの予約が入ったのであと1冊だけなら取り置きできます」といった答えでした。うち1軒は「もう予約で完売してしまいました」という答えでした。やはりすぐに確保に動いた勘のいい人は結構いたようでした。私が欲しかったのは先の友人の分も合わせて2冊だったのですが、なぜ3冊確保したかというと、良くある話なのですがアルバイト店員の引き継ぎが出来てなくて「あ、すみません。取り置きの分間違って売っちゃいました」ってのが良くあったりするので万一を考えて3冊確保したのでした。この状態であれば余れば身近な欲しい人に回せば良いわけですから。

 そして先の友人に確保出来た旨の電話を入れて安心して仕事に戻りました。これで明日ガソリン代使って何件も回る徒労をしなくて済みます…。

 帰宅してTwitterを見てみるとやはり夜の時点ではすでにこの騒動は全国に知れ渡っていたのですが、不思議なことに「こっちは田舎だから仕事帰りでも余裕」みたいなツィートしてる人があまりにも多いのです。今時の人は「どうしても確実に手に入れたいモノなら自分のできる限りの行動をなるだけ迅速にして万難を排して入手の段取りに奔走する」ってこと、しないんですかね?。私以外にもすでに動いている人いるから多分開店を待つまでも無く「予約完売」であろう事は想像に難くないのですが…。


 案の定、翌日Twitter上には悲鳴のようなツィートが並びました。さらにそれに乗じて「どこそこには余裕で平積み」などとどう考えてもあり得ない情報を流して右往左往する人が出るのを面白がる悪質なツィートまで多数現れて相当な混乱状態でした。私はそんな中、普通に仕事が終わって取り置き分を引き取りに行き無事に入手できましたが、お店で出して貰ったとき隣にいた人にガン見されました。おそらくあの人も買い損ねた「提督さん」だったのでしょう。ごめんね。

 でもTwitter上では買えなかった怒りか、私のように取り置きを手配した人間を犯罪者のようにボロクソにこき下ろすツィートを相当な数見ましたが、そんな事言われるいわれはありません。こちらがお店に「取り置きできますか?」と聞いてお店が「よろしいですよ」と了解してくれた時点でそれは正当な商取引であって犯罪じゃありません。こういう状況では申し訳ないけど早く動くに越したことは無いんですよ。私だって情報つかむのが遅く入手し損ねたモノ、過去に結構ありますもん。

 その他には「艦これ」と関係なく「Fate」のファンや付録に関係なく毎号買っていて今回この騒動のアオリで買えなかった人の恨み節のツィートも多く見ました。その人達の論調がみんな【「艦これ」のせいで…】っていう言い分で、それに同調した人が何百人もリツィートしていて。でもそれも言われるいわれはありません。あなたたちだってどうしても欲しい付録が付いた雑誌なら普段買わない雑誌でも必死こいて手に入れるでしょ?って事です。責められるべきは売れ行きを予想できずに十分な発行部数を用意しなかった角川書店であって「艦これ」ファンに言うのは筋違いってもんです。


 とはいえ、これじゃマズいってんで翌日11日、角川書店は「コンプティーク10月号」の増刷を発表して事は一応一段落しました。雑誌の増刷なんて異例中の異例ですよ。ただ、実際には翌月10月の10日くらいに増刷分が配本されるようで(この記事を書いている間に第一次の増刷分は9月26日から販売が開始されると発表されました)、その頃には「艦これ」の方は「公式ガイドブック」がムックとして発売され、それにはおそらく今回の別冊付録の内容の殆どは収録されると思うので、その時には何も「艦これ」ファンはコンプティークを買わなくても良いでしょうから、これでやっと「提督」以外の普通の読者にも行き渡ると思います。

 …だけど、今度はTwitter見てると「増刷決まったからこれで安心」とか…。あのね、増刷って本来の発行部数と同じだけ潤沢に刷るわけないでしょう。売れ残るほど刷るわけないじゃん。あんたたち少しは頭使って考えなよ。かと思えば「地元の本屋では何冊入荷するかわからないからと言って予約を断られた」とかの泣き言もいっぱい。そりゃそうだ、本屋さんだって増刷が決まったその日に何冊自分の店で確保が可能かなんてわかるわけがないです。そんな状態の中、「アニメイト」や「ゲーマーズ」のオンラインショップでは時間を区切ってちょこちょこ「予約受付→締め切り」を繰り返してたので、見かねて受け付け開始を見つけたときに「#コンプティーク」のタグを付けて「今現在どこそこのオンラインショップで予約受け付けてるよ、急いで!」ってツィートしてみても大して反応無し。何なの?欲しいんじゃ無いの?欲しいけどそんなに送料払うの嫌なの?もう知らないよ。ホントにTwitterで文句ばっかりたれてる人は相手するだけ疲れる…。ちったぁ行動しなよ。


 そんな私もまだやらなければならない事がありました。3冊確保したうち、1冊は自分のもの、1冊はその場で前述の東京の友人に向けて発送しました。結果手元に1冊残っています。周りに聞いてみましたが、私の周りに「艦これ」をやっている「提督」はいませんでした。となるとこれは欲している誰かの元に行くのが一番良いのですが、オークションなんかで売ったら転売屋と一緒になってしまいます。

 考えたあげく、これは誰かこの本を欲しがっている「提督さん」に渡したい。ちゃんと定価で。手元に余らせること自体が犯罪に等しい。じゃあどうやって?


 とりあえずTwitterのツイートを検索して近隣で買えなかったとツィートしてる人の中から誰かに譲る事にしました。その中で一番長距離を探し回ったとツィートしてた人を見つけて、とりあえずその人の他のツィートを見てみましたら、別に荒ぶったヘンなツィートも無く真面目そうな人だったので、その人に向けて「まだ捜しておられるようならお譲りしたいのですが…」とリプしてみました。当然疑われるだろうから、このブログをみていただければ私の人物は判断できるだろうと書き添えて。結果、このブログを見て「2006年からやってるブログだからわざわざ騙しでこんな手の込んだことしないだろうから話だけは聞いてみるか」と思ってくれたみたいで、無事返事がいただけたのでお互いの中間地点にある人目のあるショッピングセンターで落ち合うことにしました。それなら相手も安心してくれると思ったので。

 現れた人は予想通り真面目な好青年でした。雑誌を確認して貰うと騙しでは無かったことにホッとしてくれたようで、とても喜んでくれました。こちらも希望どおりこの本を欲しがっている「提督さん」の手に渡すことが出来てホッとしました。余分に確保した罪滅ぼしは何とか出来たようです。その後少し「艦これ」の事を含め雑談をしたあとお別れしました。


 今回は1冊の本を巡っていろんな事がありました。私も長年いわゆるオタク系の趣味をやってますので、入手競争の経験は何度もありますけど、結局手に入るかどうかはそのブツに縁があるかどうかなんですよね。縁が無いときはホントにどう行動しても裏目裏目に出て手に入らない事もしばしばです。でもだからと言って諦めたり悠長に構えてたりしては絶対に手に入りませんからできる限りの手は尽くします。それで手に入らなかったら潔く縁が無いものとして諦めて他の事にお金を使うようにしています。だってさ、手に入れたいばかりに卑怯な裏技使ったりとかまでしたらなんだかバチが当たりそうじゃん。別に神様信じてるわけでも無いし古い感覚なのかもしれないけどさ(笑)

SHARPパソコン X68000 EXPERT-HDのバックアップ電池交換【レトロパソコン】

以下の記事は2004年当時に私がやっていたHP「がらくた文書工房」に掲載していた記事です。

記事内容は若干加筆修正しておりますが、基本的に当時のままですので現在の事情に合わない部分もあるかもしれませんが、紹介している電池などは現在でも入手可能ですので興味のある方は参考になさって下さいませ。



 SHARPのパソコン(正式なネーミングは「パーソナルワークステーション」と銘打ってあった)X68000シリーズの中の1モデル、EXPERT-HDです。型番はCZ-612C、CPUは当時のパソコンマニアの憧れ、マッキントッシュと同じMC68000(10MHz)を搭載しています(モトローラ純正の石じゃなくて他メーカーの互換チップだったような気もしますが記憶が定かじゃありません)。CPUの型番が名前の由来になってます。2MBのメインメモリ、40MBのSASIハードディスク搭載。とにかく当時としてはずば抜けてハイスペックでゲーム用途にも向いており、また、ソフトウェアの開発環境も豊富に提供されていて、パソコンマニアの羨望の眼差しを集めていたマシンです。

 EXPERT-HDは1989年3月の発売。定価は466,000円もしてました。写真のモニターは含まない本体のみの価格ですからかなり高価でパソコン少年なんかにはとても買えるシロモノではありませんでした。あ、ちなみに右の黒いタワー型のマシンの方です。モニターの下はこれまたマイナーなビクターのMSX2パソコン、HC-95です(MSX2のくせして定価198,000円もしたマシン。知ってる人居るかな?)。

 本体の上にDOS/V用のATX電源が載っていますが、このマシンもX68000の定番故障、「電源の電解コンデンサー破裂による死亡」を経験してまして、ATX電源を外付けで使用できるように改造してあります。そちらの方はまた別の機会に触れてみたいと思います。

 しかし、Windowsが出る前のこの頃までのパソコンがホビーマシンとしては一番おもしろかったような気がします。各社各様個性ありありで気合い入ってましたし。今はなんかどこのメーカーも十把一絡げな気がするんですが、これって単なるノスタルジーですかねぇ。


(1)ある日突然・・

 いつものようにというかかなり久しぶりにX68000の電源を入れる。・・・と、マシンは立ち上がらず画面に「エラーが発生しました。リセットしてください」の文字。何とも不親切なそれだけでは何のことかわからないエラーメッセージに従いリセットボタンを押す。しばらくするとまた同じメッセージ。HDDのアクセスランプは点きっぱなし。全く立ち上がる気配は無い。

 こういう場合はまず「何らかの理由でSRAMの内容が壊れている」事がほとんどです。回避方法としてはフロッピードライブにシステムディスクないし何らかの起動ディスクを入れて「OPT1キー」+リセットでフロッピーから立ち上げます。しかし、今回はそれをやってもフロッピーを読みに行こうともせず同じメッセージを繰り返すのみ。

 となると原因として一番可能性があるのは「SRAMのバックアップ電池が切れている」事です。そこで今回はバックアップ電池の交換を行いました。


(2)バックアップ電池を調べる

 本体です。マンハッタンシェイプと呼ばれるツインタワーには右にメイン基盤他、左にフロッピードライブ、電源部、HDDなどを内蔵しています。今でも十分通用するデザインと言われますが、私も大好きです。このデザインといい、当時は(今も)珍しいオートイジェクト方式のフロッピードライブといい、本当にカッコ良かったです。フロッピーが5インチなのがさすがに時代を感じますが・・・。

 このX68000のロゴもカッコ良くて人気ありましたね。当時、購入してユーザー登録した人にはこのロゴが入ったシャープのカード電卓が会員証としてプレゼントされました(私もまだ持っています)。その下には「パーソナルワークステーション」の記述があり、その下にモデル名が入っています。このX68000というマシンはシャープが「10年間は大きなモデルチェンジをしない」と半ば公約していたこともあり、あまり大きな仕様変更は行われませんでした。(X68030を別物と考えれば、ですが)。そのため、ユーザーは新しいマシンが出ても周辺機器でパワーアップすることで最新モデル並みにグレードアップできるという恩恵があった一方、大きなモデルチェンジを繰り返すライバル機のPC-98シリーズやFM TOWNSと比べると徐々に目新しさが無くなって行ったという弊害もありました。

 バックアップ電池はタワー内部では無く、底面にある基盤に付いています。まずはひっくり返して機体底の5本のネジを取ります。これだけではまだ底面基盤は外れません。

 次に、タワー部のケースを開けるため、背面のケースを止めている6本のネジを取ります。(それぞれのタワーに3本づつ)。

 ケース横蓋を両側とも開けます。ツメが引っかかって固定されるようになってますので。まずはフタを内部に向かって押し込みながら後方にスライドさせると外れます。ツメはあまり頑丈では無いので無理な力を掛けて折らないように。滑り止め付きの軍手を使うと楽に出来ると思います。

 開けた電源側タワー内部です。電源は前述のように煙吹いて壊れてしまいましたので取り去ってあります。HDDとフロッピードライブが見えます。

 余談ですが、ATX電源用の自作配線です。おかげさまで電源の心配をせず使えるようになりました。はんだこて使える方ならそんなに難しい改造でも無いので(電源だから配線ミスとショートだけは気をつけて欲しいですが)またの機会に紹介してみたいと思います。

 電源側タワーの下の方に底面基盤を止めているネジがありますのでこれを外します。

また、底面基盤に3つのコネクタが刺さっていますので、これらを外しておきます。決して線を引っ張って抜いたり手荒なことはしないように。

 反対側のメイン基盤の入っている方のタワーのケースも開けて、底面基盤に刺さっているコネクタ1個を抜いておきます。

 こちら側にも底面基盤を止めているネジがありますのでこれを外しておきます。

 これらのネジを外すと底面基盤が金属パネルごと外れると思います。電源スイッチと音量ボリュームのツマミに気をつけて下さい。

 基盤を止めているネジ3本を外すとフレームから基盤が外れます。(この写真は電池を外した後に撮ったものです)。

 外した基盤上にコイン型の電池があります。これが今回交換するSRAMのバックアップ電池です。電池には金属端子が付いていて、これが基盤にハンダ付けされていますので、ハンダを取り去り電池を端子ごと取り外します。(+側2カ所、-側1カ所がハンダ付けされています)

 ちなみに公称3Vの電池なのですが、テスター当ててみたらものの事に0V。完全に放電してました。

 外した電池です。わかりやすいようにむりやり端子を取り除いた状態です。この電池はあらかじめ端子が付いた状態で売られているものもあれば(今回はそのタイプ)普通に電池だけで売られているものもあります。付いていたのはソニー製のCR2450という1次電池です。2次電池では無いのでキャパシタ(充電回路)にはなっていませんでした。

 今回、EXPERT-HDにはCR2450が使われていましたが、X68000のバックアップ電池はモデルによっていくつかの種類があるようです。(おおまかにACEの一部以前のものにはニッカドが付いているようで、ACE後期~XVIまでがCR2450、あとX68030はVL2440という2次電池が付いているようです)。全部確かめた訳では無いのでご自分のモデルのご確認を)


(3)電池の入手

 さて、電池はCR2450と判明したのですが、これの入手にちょっと困りました。もともとこの電池は一般の市販ルートでは販売しておらず、それぞれの機械の製造メーカーからバーツとして購入する性格のものでした。試しに普通の電気屋さんでは無理だろうと言うことで近くの電気パーツ屋さんで頼んでみたのですが、そういうことで「取り寄せが出来ない」と断られました。仕方ないのでネットで探してみると、いくつかの通販で発見できました。電池だけならヨドバシドットコムでも売ってました。今回は一緒に電池ホルダーも欲しかったのでその中から秋葉原のショップを選んで注文してみると程なく翌日到着。いやぁ、ホントこういう時ってネット通販はありがたいです。ちなみに製造してるのはソニー、FDK,マクセルと結構いろんなメーカーが作っています。

 最初に付いていたのと同じ金属端子付きの電池を付けても良かったのですが、どうせならホルダーにしてしまおうと思いました。この電池、持続時間は18,000時間以上あるようなので、ホルダーにしたところで次の交換時期までX68000そのものがまだ生きているかどうかわからないのですが(^^;、まぁ気分ということで。ただし、電池ホルダーだと+側の端子の足の間隔が基盤の取り付け穴より広いので、足を切り取りジュンフロン線で配線することにしました。底面基盤の上と電池取り付け部は結構余裕があるのでホルダーは十分収まります。

 このようにしっかり取り付けることが出来ます。次に取り替える日まで末永くX68000を愛用することを誓いつつ・・・。

 ホルダーに電池をセットして完成!であります。

 後は逆手順で元に戻します。

 起動用のプロッピーをセットし、OPT1キー+電源ONで無事フロッピーから立ち上がりました。エラーが出た場合はリセットして再トライして下さい。立ち上がったらSRAMはしっかり空っぽになってますのでSWITCH.X等の設定をしなおしましょう。

 てな訳で我が愛機X68000 EXPERT-HD復活です。でももう今時はみんなエミュレーターでX68000使ってるんでしょうね。実機使ってる人も少なくなったのか、X68000関係のサイトの中にはもうずっと開店休業状態のところが実に多くさみしい限り。ネットオークションでも実機の出品は少なくなりました。

 X68000というマシンはWindows時代の今、改めてさわってみると実におもしろいマシンだと思います。もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、今はすごく出来のいいエミュレーターがあります(EX68やXM6等)。また、X68000の場合は先人たちの壮大な努力でもってシャープ所有のシステムソフトウェアを始めとしていくつかの市販ゲーム等が無償公開されていますので、実機を持っていなくても合法的にエミュレーターを使用することが出来ます。まずはぜひエミュレーターでX68000の世界に触れてみて下さい。

(2006.2月記/20013.9月加筆修正) 

FM TOWNSII HR200のバックアップ電池を交換する。【レトロパソコン】

 今日2本目の記事です。いつもこのくらいのペースで更新すればいいんですが(汗)


 富士通の古いパソコン、FM TOWNSII HR200です。1992年11月発売。21年を経て21世紀になってもまだまだうちでは現役で頑張っています。(てか単なる私の遊び道具の一つでさすがに実務でバリバリ使ってませんが)。

 良く「FM-TOWNS」って書かれるんだけど、ハイフン無しが正解です。この他にも初代の縦型のモデルも持ってるんですが(この初代のいわゆる目玉TOWNSって呼ばれてる方がいかにもTOWNSってデザインですよね)もっぱら使ってるのは486-SXを積んだこちらのマシンです。少しでも処理は速いほうが快適だしね。

さて、久々に電源を入れたTOWNS君ですが、内蔵HDDを認識せず見失ってます。システム日付を見たら1987年に戻ってます。バックアップ電池が切れたんですね。ってことで交換をします。このHRが一番電池交換はやりやすいです。これ以降のモデルはマザーボードに直に半田付けされてますのでかなりバラさないといけませんし、これ以前の目玉TOWNSも交換はやりにくいです。


 天板をめくりますとHDDコネクタの左の方に電池コネクタがあります。


 電池ホルダーです。2カ所大きなツメで固定されているだけなので簡単に外れます。


 中に電池が固定されてます。


 使用されている電池はCR2450です。業務用のタイプで端子が直に溶接してあってそこに配線がハンダ付けされてます。一応3VならOKなので百均でも入手できるCR2032とかにしても良いんですが容量が少なくて頻繁に電池交換しなきゃいけなくなるんで、オリジナルの通りCR2450を使うことにします。


 電圧チェックしてみたらものの見事に0V。完全に放電してます。しばらく使ってなかったからなぁ。


 次回の交換を容易にするために電池ホルダーに取り替えます。ハンダコテで古い電池を外してホルダーに付け替えるだけです。CR2450は電池自体は結構どこの通販サイトでも売ってるんですが、ホルダー売ってるのは電池専門の所くらいですね。有名どころでは稲電機さんとかがあります。



 ホルダーに電池をセットして邪魔にならないところに両面テープで貼り付けて終わり。

 電池を交換したら以下の作業を行う必要があります。

 ①Towns OSを立ち上げてコマンドプロンプトに入りQ:/T_FILE/SETCRASH.EXEを実行する。(CMOSのクリア)

 ②日付を合わせる。

 ③起動ドライブの設定を行う。

 ④ドライブ構成の再設定

 以上で電池交換は終わりです。


無事Towns OSが立ち上がりました。日付もバッチリです。ちゃんとモニターもTOWNSモニター(トリニトロン管)なのがいい感じです。ブラウン管モニター、捨てるときの出費を考えると怖いですが(笑)

 さ、チェイスHQでもやって遊びましょうか…てか、その前に早く「艦これ」始めろよ>自分(汗)

カプコンCPS-2システムのバックアップ電池を交換する。【アーケードゲーム基板】

 油断してたらまた1ヶ月以上経ってしまいました。時間作ろうとしてるのですが、なかなか。目指せ1ヶ月以内の更新!



 カプコンのCPS-2マザーボードとプログラムカートリッジROM(マザーの上にプログラムカートリッジROMを重ねる構造なので写真では下にあるマザーは見えていませんが)。カートリッジの色が緑色なのが日本向けの物です。海外用はまた違った色になってます。

 あ、ちなみにCPS-2システムの正式名称は「カプコンCPシステムⅡ」です。

 さて、前回はカプコンCPS-2システムのマザーボードのファンを交換して静音化しよう!と言う事で記事を書きましたが、実はCPS-2システムにはそんな事よりももっとやっかいな問題があります。

 それがゲームカートリッジ内に実装されているプログラムのバックアップ電池です。

 正確にはROMの中にはゲームのプログラムが暗号化されて格納されていて、それを解読して読み出すためには同じくROMの中に復号キーというものが格納されているのですが、この復号キーは電池で記憶を保持しているメモリに格納されているため、電池が切れてこの復号キーが消失するとプログラムは読み出せなくなってしまいます。

 なんでこんな構造になっているかというと、この当時はどこのアーケードゲームメーカーも海賊版コピーに手を焼いていまして、新作をリリースするとすぐにROMの内容を読み取られてコピー基板が安く出回る、という被害に遭っていたんですね。そこで簡単にコピーされないようにこのような仕組みを考えた、という訳です。まぁ、コピーする側は何をやってもあらゆる手を使って解析&コピーを目論むわけですが…。

 電池が切れるとゲームは完全に立ち上がらなくなってしまいます。もちろん内部を自分で開けたりしていなければカプコンに修理して貰うのは可能なようですが、電池代とデータ復旧で2万円くらいかかるようですので、個人で基板を集めてる方は大抵データ消失しても自己責任という事でそれぞれのやり方で互換性のある電池に交換しているようです。

 でもこういう構造になっていると言う事は売れて現在も稼働している物は必ず電池交換が発生するわけじゃないですか。当然カプコンの方も対応が結構大変だったようで工賃が値上げされたという話も聞いたりします。そもそも本来はそんなにアーケードで長く稼働するとか、ましてや個人が自宅で所持して長年遊ぶなんて前提にして開発されてる訳は無いので当たり前と言えばそうなのですが。個人使用はともかく、こんだけゲーセンも不景気になると新作を買って入荷できない分、過去の安い基板を再稼働、ってのも結構ありますからね。

 てな訳で早速その自己責任で電池の交換をやってみましょう。ハンダコテ使える人なら難しくも何ともないです。

 バックアップ電池を外して新しく取り替えるという作業ですが、いろんな方が作業された結果では、電池を外したら即データが消えるのでは無く、1時間くらいは大丈夫なようです。ですが、心配な方は1時間くらい通電してから作業した方が精神衛生上良いかも知れません。私はいきなりやっちゃいましたが。


 ROMカートリッジをマザーボードから取り外します。



 裏返してケースを止めている特殊ネジを外していきます。使うのはマザーボードのファン交換の際にも使ったヘクスローブドライバーのT-20です。


 ROMカートリッジによってはこの様に封印されたネジがあります。これを剥がした時点でメーカー修理は不可となるので心して作業しましょう。


 剥がすとこういう風に剥がれてシールは元に戻せない様になってます。


 間抜けな事に電池を外す前の基板の写真を撮り忘れてる訳ですが(すみません)基板上にこの形の電池が付いていると思います。東芝かマクセルあたりが付いているようですが、この電池は本来業務用なので同じ物はわりと入手しにくいようです。この電池は価格的にもちょっと高いようですが、これが手に入るようなら同じ物を入手して取り替えた方が良いです。ですが取り替えられてる方の殆どは作業ついでにこれと互換性のある安価で容量の大きい電池に取り替えている様です。

 この電池は「塩化チオニルリチウム電池」という種類でこの「ER3」という型番のものは3.6Vで容量は1,100mAhとなってます。製造年月日からちょうど20年です。かなり持つ電池でなおかつバックアップに必要な消費電力はすごく少ないんでしょうね。

 個人で取り替えをされている方はネクセルというメーカーの更に容量の大きい電池に取り替えて次の取り替えまで少しでも長く、という人が多いですが、このネクセルの電池は切れるときはわりとバッサリ切れるようで取り替えたにもかかわらずROMカートリッジが死亡した、という話も聞くので数年で取り替えを行った方が安心かと思います。

 私の場合はまた違う電池を使ってみました。何でかというと注文しようとしたときにこの定番のネクセルの電池が軒並み品切れだったからです。同じ境遇の先達の方がいらっしゃったのでその方の方法を参考にさせていただきました。


 私が入手した電池は秋月電子で売っていた「GMB POWER」製の塩化チオニルリチウム電池です。3.6Vの1/2AA型で容量は1,200mAh。ほぼ純正で付いていた物と同等品です。秋月の説明書きだと10年は持つようですが、聞いたことあるような無いようなメーカーなので、早めの交換に越したことは無いでしょう。価格は電池が200円に電池ホルダーが100円という、送料の方が高いという爆安価格です。


 元の電池を基板からハンダコテを使って取り外し(プラスマイナスを覚えておくこと。基板にシルク印刷もしてあるのでわかると思いますが)、電池ホルダーからの線を間違い無く配線して半田付けします。この時、電池はホルダーにセットせずにホルダーの取り付けを行って下さい。一番まずいのは電池を電極に接触させたり外したりを繰り返して瞬間的にON-OFFを繰り返すような状態になるのがメモリーからデータがぶっ飛ぶ一番の原因になると思いますので。ホルダーの取り付けが終わったらプラスマイナスを間違えないように電池をセットして交換は終わりです。一応電圧がかかってるかどうかテスターで確認はした方が良いかと。電池が万が一外れないようにインシュロックで固定して、ケースの邪魔にならない位置に強力な両面テープで固定して作業終了。ケースのフタを元通りに復旧します。(いつ電池交換したか書いて貼っておくのがいいかも。)

 ネット上にはこの電池交換に挑戦した先達の方々のレポもたくさんありますので、いろいろ読みあさって確実な交換を目指して下さい。私も他の方の作業を参考にさせていただきました。


 交換後、しばらく動作確認した後に電源を切って1日ほど置いて再度問題無く起動すればOKです。お疲れ様でした。

 今回、交換をやってみたのは「クイズなないろDREAMS 虹色町の奇跡」です。カプコンのクイズゲームの名作ですね。セガサターンとプレイステーションにも移植されていますが、いろいろな事情があって登場人物の名前や問題の一部が変更されているので、アーケード基板でプレイする価値は今でもあります。それ以前になんたってアーケード基板ならCDのローディング時間が無いのでサクサク快適に進むしね。

 以上、CPS-2システムの電池交換のお話でした。

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Author:缶コーラ
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何でもアリで書いていきたいと思います。

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