資生堂の宣伝史を振り返ってみた(その3)

前回の続きです。


ちょっと前後してしまいますが、'62年の「ワゴン」(資生堂香水)。高貴かつ優雅な雰囲気漂う60秒のCM。モデルはこの時期の資生堂CMの常連、真鍋賀子さん。当時は香水って大変な高級品だと思うのですが、入れ物が容器の加工技術の関係なのか意外とありきたりですね。「物事は全てリッチでなければならない」。「高貴さ、上品さ、化粧をすることの楽しさ、落ち着いた美しさ」。資生堂の美意識がよく現れたCMだと思います。


'64年「メークアップトウキョー」(口紅・ネイルエナメル)。この年の春のキャンペーンは秋に控えた東京オリンピックを意識した「東京の24時間を彩る色を口紅とエナメルに」と言う訳で東京の24時間を闊歩する女性達が次々登場します。このキャンペーンが評判を呼び口紅がずいぶん売れたそうで。


'65年「チェリーピンク」(チェリーピンク口紅)。モデルはまたまた高橋美恵さん。この当時の資生堂のファニーフェイスの代表と言うべき人で、化粧品のみならず石けん等のトイレタリー商品まで、資生堂CMの出演本数は群を抜いて多いです。春の高揚した気分を表すかのようにモデルさんも口紅もブランコに乗って揺れる揺れる。それもこのブランコ、前後だけでなく左右にも揺れる。その映像は斬新そのもの。当時はそんなブランコなんか無かったのでこのCMの為の特注品。印象的なCMソングは桜井順氏。歌ってるのはスリー・グレイセス。このキャンペーンを発端に60年代後半はピンクの口紅が大流行したそうです。ACCグランプリ受賞。杉山登志氏の作品。


'65年「タンゴ」(スペシャル口紅・ブレストパウダー)。'63年の「サイコロ」を更に進化させた立体オブジェアニメーション。当時の技術の粋を集めてタンゴのリズムに合わせて動画が、写真が、オブジェがアニメで、合成で動きまくる。一見の価値ありです。モデルはやはり当時の資生堂の常連、札辻輝子さんとジェリー伊藤さん。カンヌ広告映画祭銀賞受賞のこの作品、もちろんディレクターは杉山登志氏。


'66年「ピンクピンク」(口紅)。前年に引き続きピンクの口紅のキャンペーン。軽快な音楽に乗って登場はまたまた高橋美恵さん。しかしモノクロのCMなんだけどなんとなく色が連想出来てしまう演出が凄い。これも杉山登志氏の作品ですが、氏の作品、しいては氏の所属する日本天然色映画が手がけた作品あたりから日本のTVCMは「商品名や効能の連呼型」から「その商品を買うこと・使うことによって生じる楽しさ・便利さを連想させるイメージ型」へと変化していったように思います。


'67年「リップアート」(リップカラー)。67年のキャンペーンはモデルさんでは無く東宝の女優さんである高橋紀子さんが登場。現在はTVドラマ「青春とはなんだ」で20代半ばの実年齢ながらそれ以上の異様に老けた風貌で高校生役を演じていた俳優の寺田農さんの奥さんですね。CM曲とそれを口ずさんでいる映像がシンクロしている軽快なCMです。


'67年「渚にて」(ビューティーケイク・メイクアップローション)。ロケ地はハワイ。まだCMの海外ロケは珍しかった時代(というかこれが日本初の海外ロケCMだったような気が…知ってる方教えて下さいませ)。モデルは初代サマーギャルの前田美波里さんと村田秀雄(後の団次郎、さらに現:団時朗)さん。来宮良子さんの静かなナレーションが落ち着いた優雅なひとときを感じさせる、現在では考えられない贅沢なCMです。

今回はこんなところで続きはまた。

実際のCMが見たい方はぜひ「資生堂のCM」(エイベックスイオ)をお買い求め下さいませ。損はしないと思いますよ。

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