【1bit】シャープのミニコンポを単体1ビットΔΣデジタルアンプに改造する【その1】

しばらくまたこのテーマで連載みたいなことをやってみようと思いますが、今回の記事を掲載するにあたりお断りを。

 ①当記事は改造行為を推奨するものではありません。情報は開示致しますので腕に覚えのある方がやってみられるのは止めませんが、

  その結果感電して死のうが家が全焼しようが全て自己責任と言う事でお願いします。当方では一切の責任は負いかねます。

 ②電子工作の経験の無い方、経験の浅い方、電気知識の無い方、自己責任の意味がわからない方は決してやらないでください。

  これについても当方では一切の責任は負いかねます。

以上、くれぐれもよろしくお願い致します。


突然ですが、1999年頃から2006年頃までシャープが盛んに出していた「1ビットデジタルオーディオ」をご存じですか?

↓こんなマークの付いていたミニコンポやCDラジカセやMDプレーヤー達。


このΔΣ(デルタシグマ)のマーク、覚えている人も多いと思います。

売り場で見かけた事があってもメーカーがシャープというだけで敬遠した人も多いかと思います。

当時のイメージ的には「え~っ、ケンウッドとかDENONとかONKYOとかならわかるけど、シャープのコンポなんてあり得なぁい~」って感じでしょうか。

でも70年代頃はシャープも「OPTONICA」(オプトニカ)ってオーディオブランドで積極的にオーディオ製品を展開していたんですよ。


1998年のオーディオエキスポの会場でシャープは突然、1台のアンプの試作機を参考出品します。

そして翌年、世界初の1ビットデジタルアンプを受注生産の形で商品化に成功します。


SM-SX100。お値段はジャスト100万円!。値段からしてハイエンドオーディオ機ですね。

デジタルアンプの動作原理をざっと説明すると、音声信号を超高速でサンプリング(要はブツ切り)してデジタル信号の変化に置き換えて増幅します。

「1ビット」と言うのは通常の「クラスD方式」と呼ばれるデジタルアンプがサンプリングのスイッチング信号に「PWM信号」を用いるのに対して、純粋な「ON・OFF」しかない「1ビット信号」を用いていることからそう呼ばれています。

また、シャープのこの方式は高速サンプリングにΔΣ変調を用いていることから「ΔΣ」が名前に冠されています。

説明がざっと過ぎたのでアレですが、興味のある方はシャープの発表した技術資料や論文が公開されてますので読んでみて下さい。なかなか面白いです。

 1ビットオーディオ www.sharp.co.jp/corporate/rd/journal-77/pdf/77-14.pdf

 1ビットオーディオアンプ用ΔΣ変調器 www.sharp.co.jp/corporate/rd/26/pdf/91_03.pdf

 Digital (1bit) Audio Technology home.jeita.or.jp/is/jeitakouza/kyouzai/toukoudai/05.pdf

そして、さほど時を置かずに量産化&コストダウンに成功し、我々にも手に入りやすいミニコンポ等のゼネラルオーディオ機にこの1ビットΔΣデジタルアンプが搭載され発売されました。


細かい理屈はさておいて、当時、シャープが出したオーディオとの偏見を持たずに聴いてみられた方は一様に驚かれたと思います。

今までのアンプには無かった圧倒的な解像度と明瞭感、ハイスピードでクリアな澄んだ音。

2015年の今でこそいろんなデジタルアンプがあり、音質も甲乙付けがたいですが、2000年頃のあの時代に於いてはまさに驚愕の音質でした。

しかしながら、残念な事に2006年発売のSD-FX33を最後にシャープは1ビットΔΣデジタルアンプというよりオーディオそのものから事実上撤退してしまいます。

当時シャープで1ビットアンプに携わり、定年退職された方が「Lyric」という会社を立ち上げ「N mode」というブランドで1ビットアンプを出しており、1ビットの火は消えておりませんが、いかんせんシャープとは企業規模が違いますから我々にも手に入りやすい安価なゼネラルオーディオではなくピュアオーディオ機としての展開であるために私なんかには手が届きません。

一度体験したら他には無い音に魅入られて今でも愛用されて居る方も多いと思います。シャープと言う事もあってかミニコンポやMDプレーヤーは実売価格も安かったですし。

しかし、壊れないように大切に扱ってもそこは機械、CDやMDが読めなくなったり、電源が入らなくなったりと故障に見舞われ、すでにシャープでも殆どの機種が修理対応を終えていることも有り、2015年の今、使い続けることが難しくなってきています。(それでも修理可能であればちゃんとしたメーカー修理をお勧めします。)

オークションではとりあえず不具合の無い機体はそれなりの値段で取引されています。しかしそれらもいつまで持つかはわかりません。

電源さえ入る機体であれば、外部入力にCD等を繋いでアンプとして使う事は出来ます。でもシャープのミニコンポによくある故障が電源の不調で電源が壊れるとアウトです。

私自身もデジタルアンプの特徴であるハイスピード、高解像度でありながらどこかアナログ的な艶っぽさを持ったこの1ビットΔΣデジタルアンプの音に魅入られた一人です。

いつしかアンプとしての延命を考えるようになりました。しかも出来ればアンプ部だけを使って単体のオーディオアンプとして作り替えられないかと…。無論、メーカーとしては絶対に推奨しない改造行為ではあるのですが…。



ジャンクで手に入れてきたミニコンポ「SD-CX8」です。CD再生不可、MD再生不可、ラジオOK。なのでアンプ部は生きています。この他によくある故障としてはCDのフタが突然開いたり閉まったりするとか、電源が入って1秒で落ちる、等があります。

ここから先はメーカーさんは禁止してる行為ですのでそのつもりでお願いします。


とりあえずバラして回路を追ってみます。また各所の電圧等を調べていきます。


電源部にはこのクラスのミニコンポとしては大きめのトランスが付いています。電源系統は結構いくつも種類が必要です。


取り出した心臓部、パワーアンプモジュールです。今回の改造に必要なものはこれだけです。


パワーアンプモジュールの中を見てみるとA/D変換を含めデジタルアンプとして動作するために必要な部分は全て組み込まれています。つまり、電源と必要な周辺回路を用意すれば単体アンプとして動作させることは可能です。


今回の「SD-CX8」はサンプリング周波数が2.8MHzの機種です。「IX0498AW」というチップが使われています。シャープの1ビット機は後期になるとサンプリング周波数が倍の5.6MHzになり、理論上はサンプリング周波数が高いほど高音質になるのですが、どうも5.6MHz機は音に色づけがしてあるのか、2.8MHz機を好む人も多いようです。私自身も5.6MHz機(SD-GX1)も持っているのですが2.8MHz機の音の方がなんとなくですが好きです。

パワーアンプモジュールを一旦戻して各部電圧測定です。老眼に鞭打って基板上の回路も追いかけます。



実はシャープのミニコンポに使われているパワーアンプモジュールはモデルによって造りが違います。実際私も「SDーGX1」をバラしてみたらかなり細部やコネクタ仕様が違っておりました。今回は「SD-CX8」のパワーアンプモジュールを使用して単体アンプ化を行います。

ネット上ではすでに単体アンプ化を成功させている方もいらっしゃいますが、遅ればせながら私も挑戦してみようと思います。

それと実は今回の記事は前回DAC製作でもお世話になりましたネット上では10年来のお付き合い、「高速化事業部」さんとの本格的コラボ企画です。

「高速化事業部」の管理人であるりょうさんとメールでやり取りしていたときに、「世の中ハイレゾがブームになってきてるし、今あえてシャープの1ビットアンプを弄ってみるのも面白いよね」という話になり、そこから今回の企画が生まれました。

趣向としては私の「がらくた文書工房」ではオーソドックスかつ正攻法での単体アンプ化を、「高速化事業部」さんでは魔改造的なハイチューン仕様での単体アンプ化を行い、それぞれのサイトで成果を発表、という形になります。

と言う訳でそれぞれでどんなものが出来るのか?両サイトでの記事をお楽しみいただけたらと思います。

それでは次回、電源部を製作してみたいと思います。ではまた。

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