缶コーラの「地デジのはてな」

前の記事で地デジのレコーダーを導入したことを書いたのですが、実際地方における地デジの普及というのは遅々として進んでいないようです。

そりゃぁそうでしょうね。ちょうど買い換えの時期と当たったとかでもなければそれなりに出費の要ることですから。私が住んでるアパートも私が1番最初に入れたので万一アンテナの問題で映らなかった時のことを考慮して大家さんと相談しながら進めたのですが、他の人はまだ全く入れる気配無し。待てば待つだけ性能のいいものが安くなるのは目に見えてますもの、ある意味賢いですよね。

今回は過去のカラー放送開始、音声多重放送開始、クリアビジョン放送開始等と違って、「新しく買い足さないと全く観れなくなる」というものですからどうせ買うならとみんな慎重になるのも当たり前だと思います。

加えて普及が進まないのは、アナログと地デジの番組内容がほぼ完全に同じという「サイマル放送」(サイマルキャスト=異なったチャンネル・電波形式などで同一内容のものを放送すること)であることも一因だと思います。地デジでしか観れない魅力的な番組が流れているなら普及も加速するはずなんでしょうけど。(CDが出てきた時に普及促進のために同じアルバムでもレコードに収録されていない曲をCDのみに追加して出してた時のように。アコギと言えばアコギだけど)

地デジの規定では「1日の放送時間の3分の2以上をデジタル・アナログ同一内容で放送すること」となってますので1日の3分の1は違う番組を放送することは可能なんですが、実際にはどこの放送局もかつてのテレビ黄金時代と違って儲からなくなってきてますからコストのかかる事はまずやらないはずです。

出費が痛いのは視聴者ばかりではなくて、実際放送局側も同じ事だったりします。特に地方局に至ってはHD(ハイビジョンを含む高品位化)放送への対応費用をどこで捻出するかというのは重要な課題だったりします。

セット、カメラ、照明に始まるスタジオ設備全般から副調整室、主調整室、放送波送出設備(送信塔建設を含む)、中継に使うSNG中継車、ネット局間を結ぶ光ファイバー中継回線、取材用VTRやハンディカメラ、果てはお天気カメラに至るまで番組制作・放送に関わるほとんど全ての設備のHD化が対象になります。やはりこれも2011年までに全てを終わらせなければなりません。

現状、東京のキー局は別としても準キー局である大阪や名古屋の局制作の全国ネット番組でも未だにSD制作の番組がある事を考えると、準キー局ですらそうなのだからお金のない地方局なんてどういう状況かなんて大体想像がつくというものです。

地方局を取り巻く状況というのは年々厳しくなっています。テレビ局の収入で一番大きなウェイトを占めるのは言うまでもなくCMによる広告収入です。特に番組制作費と一部相殺される「提供CM」では無く、それ以外の「スポットCM」をいかに取れるか、というのが収入を大きく左右します。かつてテレビが娯楽メディアの王者であった頃は地方といえどもそれなりのスポット広告収入があり、栄華を誇っていたのですが現在は非常に厳しいものとなっています。

その局のスポット広告収入が順調かどうかというのは素人にもある程度簡単に判ります。ステーションブレイク(SB、ステブレとも言われる)と呼ばれる番組と番組のつなぎの時間、この間のスポットCMが順調に入っているかどうかです。ここがきちんと売れて無いと「自社番組の番宣」や「自社主導の催し物やイベントのCM」で時間を埋めざるを得ません。これら自社の宣伝CMが多いほどCM枠が順調に売れていないということになります。どこの企業も宣伝費に使えるお金というのは年々減ってますのでテレビCMと言えども最近は苦戦しているようです。

この状態が深刻になるとローカル枠内の番組と番組の間のステーションブレイクを取らずに連続して番組を流し、番組内にPT(パーティシベーション)と呼ばれる「提供スポンサー以外のスポットCM」の枠を設けてそこを売るとか、番組の開始テロップを出して視聴者を引きつけた上で番組開始までの時間にCMを入れる「カウキャッチャー」と呼ばれる方法、番組終了から終了テロップを出すまでのまだ視聴者を引っ張っている時間にCMを入れる「ヒッチハイク」と呼ばれる方法などあらゆる策を取ることになります。
(これらの方法は番組と番組の間の時間より番組内の時間の方が視聴者の観ている割合が多くセールス的にも売り易いための措置として採られることも多い。またステーションブレイクを取らないのは番組と番組の間にチャンネルを変えられてしまうのを防ぐ意味合いもあります。)。

1日の放送時間に対するCM時間の割合というのはある程度は決まっているので、さらにこれでもCM枠が売れない、それどころか再放送番組さえ提供してくれる企業も無いという状態になってくると自社制作番組や系列局制作番組をサスプロ(自社で費用を負担して番組提供する形式)で放送せざるを得なくなります。さすがにこれが頻発する状況になると経営状態そのものが危なくなります。

そんな地方局の番組穴埋めの救世主というのが「テレビショッピング番組」です。近頃のローカル局のお昼前とか深夜とかこれがすごく多いと思いませんか?。実は「テレビショッピング番組」というのは内容は通販会社の宣伝ですが、「CMではなくあくまで番組」として扱われます。提供は通販会社がしてくれて、なおかつ番組の穴埋めも出来るので非常に重宝されますが、視聴者的には「何でこんなテレビショッピングばっかりやってるの?」てな状態になります。

話がそれちゃったんですが、かようにローカル放送局というのは厳しい状況になりつつあります。もうかつてのような「テレビで宣伝してやるんだから」的な態度では儲からないと言うことですね。(余談だけど未だに業界人にはこういう思想から抜けられない態度のでかい勘違い野郎が多い)

2011年にどういう状況になってるのかわかりませんが、視聴者側もそれなりの出費をしてもいいから観たいと思える番組を放送できる状態は維持して欲しいものですね。ローカル局というのは我々地方の人間にとっては大切な地域の情報源ですからなんとかこの閉塞状況を頑張ってフルHD化を達成して欲しいと思います。。

不景気だもの、みんなお金無いんだよ、大変なんだよねぇ。

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