クラビノーバ(電子ピアノ)を手に入れてみた

保育園の頃、習っていたピアノ。通っていた個人の先生がやってたピアノ教室で男子は私一人。60年代終わり頃の田舎でピアノをやってる男の子というのはわりと珍しかったと思う。音楽は当時から好きだったし、ピアノの練習も嫌いでは無かったが女の子だらけの教室に通うのがいやだった。結局「黄バイエル」を終わったあたりで保育園の卒園と同時にやめてしまった。でもこの事が今でも私が音楽を趣味として続けるきっかけになった。さすがに家にピアノは買ってもらえなかったけど苦しい家計の中から当時男の子の私にピアノを習わせてくれた親には今でも感謝している。でも今のヤマハの教室とかと違って当時の先生は厳しかったなぁ。

その後、学校で教室にあったオルガン(当時はまだ電気オルガンは珍しく、学校では足踏み式が多かった)を弾いて遊んだり、買ってもらったピアニカを一生懸命練習したりと細々ながら楽器との縁は続いていた。でも合唱コンクールとかの伴奏は「今はもう習ってないから」と拒否していた。

中学・高校ともなると色気づいた連中が「カッコいいし女の子にモテるから」とまぁこんな理由でバンドを始めたりする。当時は70年代ロックバンドやニューミュージックの全盛期。「ロックなんて音楽じゃない、騒音だ」とか「フォークやニューミュージックなんて女々しい歌なんかやってられるか」と教室でやいのやいの。アコースティックギター対エレキギター論争なんてのもありましたね。でも大抵みんな「ギターでボーカル」って「4番でサード」みたいなポジションを取りたがってけんか別れしてるバンドも多かった。そんな中、キーボードが弾けるというのは重宝されていろいろ誘われたが断っていた。今でもあまり変わらないと思うが、キーボードなんてバンドの中の便利屋みたいに扱われることが多く、「おい、キーボード。俺のバックでこの音出せよ」なんて事が良くあるので正直バカらしくてやってらんねーと思っていた。そもそも楽器も買えないし。実はこの頃ひそかにギターも練習していて正直バンドやってる連中よりは上手かったのだけど口に出すことは無かった。質屋で買った中古のギターだったけど。

社会人になってからは忙しい中で時間をみつけてエレクトーンを習いに行った。実は保育園の頃から未来的な物に憧れがあった私は幼い頃聞いた当時まだ珍しかったエレクトーンの電子音に衝撃を受け、いつか習いたいと思っていたのだ。時は80年代初頭。YMOをはじめとするテクノポップの全盛期。シンセサイザーがようやく認知され始めた時代だった。結構なグレードまでは上達したが、とても住んでいたところにエレクトーン置ける環境では無く、やはり壁に当たってしまった。それにエレクトーンはヤマハ独自の楽器でピアノとは似て非なる物で奏法なんかも全く違う。大げさに言えばピアノを習った人はある程度エレクトーンが弾けるが、最初からエレクトーンで習った人はピアノに移るときに結構苦労するのである。

その後はすっかり鍵盤を弾くことも無く、代わりにのめり込んだのがコンピューターを使ったデスクトップミュージックだった。なんせ場所を取らない、いろんな楽器の音が簡単に使えて一人で1曲の全てを完成させることが出来る。これにハマって一時は無名パソコンゲーム会社のゲームのBGMをアルバイトでやったりとかしたが、そのうちあまりにもお手軽すぎることに飽きてしまってここのところはもっぱら音楽は聴くことのみとなっていた。

もう一度楽器を習いたいと思ったきっかけは、このブログと別にやってるホームページ、「がらくた文書工房」の中で立ち上げようとした「ジャンク楽器でGo!Go!80’Sサウンド」という企画が発端だった。この企画、立ち上げた後に転職が続いたりとかして開店休業、頓挫状態になってしまっているが、今はもうガラクタ同然に扱われてる80年代頃の電子楽器を格安ジャンクで手に入れてきて修理して再生、1曲完成させるまでをやってみようと始めたもの。これで最初にジャンク扱い3000円でデジタルシンセの名器「ヤマハDX7?FD」を入手した。電源が入らないという物だったが、電源の電解コンデンサーの寿命が原因でこれを取り替えてあっさり直った。久しぶりに弾く鍵盤楽器は私を拒絶した。指がまともに動かない。譜面を追うスピードが極端に遅くなっている。鍵盤楽器は日々の練習が大事、とは本当のことで長年のブランクに肉体の老化(笑)も重なって弾くほどにストレスが重なる。ショックだった。

あくまで趣味でやってるとはいえ、多少の自信はあっただけに落胆も大きかった。同時に今までやってきたことをこのまま失いたくないと思った私はピアノ教室へ通うことを考えたが、なにせ交代勤務&残業・休日出勤で個人のピアノの先生の教室とは時間が合わない。それに個人の先生というのは大人を教えるのが嫌いな人も多い。覚えが悪いからだ。結局私の生活時間に合うヤマハの門を叩いた。「大人の音楽教室」を開いているので時間に融通が利くからだ。

先生にはあえて初歩の初歩から教えてもらえるようにお願いした。どうせやるなら再度きちんと基礎から習いたいからだ。変な癖は取っておきたい。その後、仕事の都合で行けない日が続いたりもしたが今再度のチャレンジを頑張ってみようと思っている。

しかし習うとなるとどうしても家に練習するための楽器が要る。私の家にはシンセサイザーしかない。ピアノとはタッチが全く違う。運指の練習しかできない。住んでるのは安風情のアパートだ。本物のピアノなんて当然不可である。となると本物とは違うがピアノタッチを再現した鍵盤を持ち、ヘッドホンが使える電子ピアノしかないのだが、置き場はどうにかするとは言え安月給の身、楽器だけにお金が使える訳では無い。安い物でも新品は10万近く、中古でも気の利いた物は7万円前後するので半ば諦めていた。またモノになるかどうかわからないものにそれだけの金額を出すのは抵抗があった。私の師事した先生はヤマハの講師ではあるが、無理に楽器購入は勧めない人だった。でも「せめてクラビノーバクラスのものでもあるといいですね」と言っていた。とてもクラビノーバは買える値段ではなかった。ローランドやコルグはもっと高い。カワイはあまり好きな音では無い。カシオは・・・物の良い悪い以前に「CASIO」って書かれた楽器には抵抗がある。電卓なら迷わずカシオを買うけど。

そんな中、いつものようにオーディオジャンクを漁りにハードオフへ行った所、なんとクラビノーバがジャンクで置いてあった。それも11年落ちとは言え高機能のCVPタイプ、CVP-92という機種だ。もちろんピアノを模した鍵盤の搭載機種である。この年式の高機能型クラビノーバのジャンクは初めて見た。ジャンクなので保証も無いが1万円と格安である。音出しのチェックはやらせてもらえないが、鍵盤もヘタって無い、大きなキズも無い、取説他一式に専用イスもある。思わず店員に状態を聞いてみると「全鍵盤とも音は出てフロッピーも読めたが11年落ちなのでジャンクです」とのこと。知り合いの店員なので「買ってくれるなら特別に全鍵盤音が出るかくらいの確認はしてもらっていいですよ」とのことなのでお願いする。数時間後にはレンタカーで軽トラ借りて再度店を訪れていた。

てな訳で念願のクラビノーバが我が家にやってきた。これに不満が出るまでは頑張ってみよう。そのときは迷わず新機種を買おうと思うだろう。ただし、うちはモノだらけなので置き場を確保するのが大変で結局用意出来たのは6畳のキッチンルーム。湿気が気になるがこれ以上メインの部屋にモノを入れるとたぶん床が抜けると思うので仕方が無い。まるで「のだめカンタービレ」状態であるが2時間くらい一生懸命弾くととても気持ちいい。念願のクラビノーバを手に入れてまた練習を頑張ろうと思う今日この頃だ。

ところで・・・。「もしもピアノが弾けたなら」という名曲がある。もしも私が全く楽器をやってなかったらとても共感できる歌詞だ。でも実際にピアノは弾けても「ある特定の個人」に対して「思いの全てを歌にして聴かせよう」って思った事はさすがに無い。私の友人に高校時代これをやった奴がいる。そいつはギターをやってたんだが、当時の彼女に「君のために歌を作ったんだ」と言って家の電話の前でギター片手に1曲ぶちかましたそうで、「未だに思い出すだけで顔から火が噴きそうになる」とは今でも一緒に酒を飲むたびに聞かされては笑うほろ苦い青春の思い出である。でも、楽器使いとしては密かにいつか自分もやってみたいような気もするような気がする。多分やっちゃったら最後死ぬまで後悔すると思うけど。「あの時あれさえやらなきゃあ」みたいな(笑)。

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